いや、もちろんまだ終わったわけではないけれど。
昨日の夜から僕はずっと赤川次郎の小説を読んでいた。
「鼠、江戸を疾る」だ。
小説を書いたり、読書をしたり、そんなことを繰り返して朝になった。
朝方には赤川次郎の小説をもう読み終わっていたし、次は何を読もうかな、などと考えた。
新たに読み始めたのは、村上春樹の「ノルウェイの森」だ。
僕はこの小説の永沢という人がなかなか好きだ。
昼まで「ノルウェイの森」を読んでそれから祖母と昼食を食べに行こう、と考えていたのだが、7時半ころに眠ってしまった。
とても心地のいいものだった。
疲れたときは、眠るのがいちばん心に効く。
10時半ころに起きて、僕は急いでシャワーを浴び、祖母の家に向かった。
タンスを運んでから妹と祖母のマニュアル車に乗り込み、ギアを変えるときのがくんという動きに耐えて、ステーキ屋まで行った。
いくらか話をしつつ肉を口に入れて、僕はそれなりに幸福だったように思う。
家に帰ってから、また「ノルウェイの森」を読んだ。
ただ文字を追って、一行一行を味わった。
ふと顔を上げて外を見ると、とても晴れている空が見えて、ふらっと出かけたくなった。
気楽な生活は幸せなのかも知れないが、時々生きているのか死んでいるのか分からなくなって、身体を動かさなくては落ち着かなくなってくるのだ。
カバンにノートと文庫本を入れて、自転車のタイヤに空気を入れると、駅の方へ進んだ。
風が冷たく、手が凍るようだったため、手袋をつけた。
あらかじめ用意してカバンに入れておいたのだ。
駅の駐輪場に自転車を置いて、書店に入った。
しばらく店内を見て回り、時々目についた本を手にとって眺めたり、カバーの感触を確かめたりした。
TOEICの参考書を見ているとき、やっぱり安河内哲也の本は分かりやすいな、と思ったのを覚えている。
それから、斉藤和義を聴きながら、歩いた。
レンタルビデオ店に入り、店内を歩き回る。
ビデオの方には目もくれず、CDをやたらと見て回った。
結局、オアシスの中古CDを買って、店を出た。
また斉藤和義を聴きながら歩く。
風が吹いて身体を冷やすが、平気だった。
寒かったが、平気だった。
そういうことは昔からよくある。
二月の異様な寒さの中を歩き回ったりすることもよくあった。
不思議とそれで風邪を引いたことは一度もない。
駅の駐輪場に戻って自転車に乗った。
途中、ハンバーガーの誘惑に負けそうになったが、どうにかやり過ごし、家に帰った。
家に帰ってから、また「ノルウェイの森」を読んだ。
そしてさっき、読み終わった。
こんな文章で伝わったか分からないが、なんだか今日はずっと感覚が変で、よく分からないのだ。
不思議な日だ。
今日は、僕もねじを巻かない日だったのかも知れない。
これから赤川次郎の「ひまつぶしの殺人」を読もうと思う。
これもなかなか面白い本なのだ。